「竹田城跡」は、兵庫県朝来市を代表する観光スポットです。
雲海に浮かんでいるかのように見える幻想的な姿は「天空の城」とも呼ばれています。
「竹田城跡」だけでなく、その周辺にある数多くの観光スポットもおすすめです。
ここでは「竹田城跡」の観光コースプランなどについて紹介します。
「竹田城跡」への観光を考えている方はぜひ参考にしてください。
「天空の城」と呼ばれる「竹田城跡」とは?
「竹田城跡」は、標高353.7mの古城山(こじょうざん)山頂にある観光スポット。
国指定重要文化財の一つで、「日本100名城」にも選定されています。
室町時代に基礎が築かれたと伝わっている竹田城は、織田信長の命により羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)の手で落城しました。
天守閣などはないものの、城の周りを囲む石垣などの遺跡が今もなお現存しています。
なぜ「天空の城」と呼ばれているのか?
「竹田城跡」の周囲には天候や時期や時間などの条件がそろうと、雲海が発生します。
この濃い霧が城跡を取り囲み、雲の上に浮かんでいるような風景に見えることから、「天空の城」や「日本のマチュピチュ」と呼ばれています。
「竹田城跡」周辺の観光コースをご紹介
ここからは、「竹田城跡」周辺の観光コースプランを紹介します。
但馬牛満喫コース
まずは「但馬牛を思う存分満喫できるコース」を、アクティブ派とのんびり派に分けて提案します。
<アクティブ派>
神崎農村公園ヨーデルの森
ランチタイムに但馬牛をおいしく食べるために、朝来市に隣接する神河町にある「神崎農村公園 ヨーデルの森」(以下、ヨーデルの森)で体をいっぱい動かして遊ぶのがおすすめです。
「ヨーデルの森」は、大自然の中で動物と触れ合える体験型テーマパーク。
動物の種類は全部で約60種200頭羽おり、どの動物とも近い距離で触れ合いを楽しめるのが魅力です。
有料とはなりますが、エサやりや乗馬体験などを楽しめます。
中でもバードパフォーマンスショーとドッグパフォーマンスショーの2種類のアニマルショーは必見。
特にバードパフォーマンスショーは、西日本最大級の規模。大空のパノラマをダイナミックに舞う鳥たちの野生さながらの姿に、見る人は思わず歓声をあげることでしょう。
また「ヨーデルの森」には、ゴーカートや手漕ぎのミニボート、芝生すべりなど子どもから大人まで楽しめるアトラクションも充実しています。
アトラクションで遊び疲れたら、体験イベントに参加するのも良いでしょう。
施設内では石窯のピザづくりやオーブン粘土、オカリナ絵付けといったイベントが開催されています。アトラクションやイベントがたくさん用意されているので、アウトドア派もインドア派どちらも、充実した1日を楽しめます。
<基本情報> .名称:神崎農村公園 ヨーデルの森 ・住所:兵庫県神崎郡神河町猪篠1868 ・TEL:0790-32-2911 ・公式サイト:https://yodel-forest.jp/
<のんびり派>
あさご芸術の森
「あさご芸術の森」は、自然空間に溶け込むように彫刻作品が点在された野外彫刻公園と美術館で構成される、複合アートが楽しめる公園です。
6,000平方メートルという広大な面積を誇り、ダイナミックなロックフィルが特徴的な「多々良木ダム」が隣接しています。
屋外には朝来市出身の現代彫刻のパイオニアである淀井敏夫のアート作品が常設展示されており、ちょっと不思議でユニークな趣をまとった空間が創出されています。
特筆すべき点は、無数の岩石が積み上げられたダムの建造物がまるでパッチワークの壁のようで、絵本に迷い込んだかのような景観を生んでいるところ。
このようにアートとダムの融合が見られる、全国的にも稀有なスポットでもあります。
また、春には桜、夏には新緑、秋には紅葉、冬には銀世界が広がり、季節ごとにさまざまな表情を魅せてくれるので、大人も子どもも思い思いに散策を堪能できます。
<基本情報> ・名称:あさご芸術の森 ・住所:兵庫県朝来市多々良木739-3 ・TEL:079-670-4111 ・公式サイト:https://asagoart.com/
生野高原 カッセル
「ヨーデルの森」でお腹を空かせた後は、「生野高原カッセル」でおいしいごはんを食べましょう。
「生野高原カッセル」の店内は、落ち着きのあるヨーロッパ調の空間。夏はさわやかな風を感じ、冬は薪ストーブの暖かさに包まれながらゆったりと食事を楽しめます。
但馬牛などのこだわり食材を使った料理が魅力です。
他にも屋外にバーベキュースペースがあり、自然の中で本格派バーベキューを楽しめます。
但馬牛をメインに、旬の野菜や海産物などの地元の食材を堪能してください。
<但馬牛を堪能できるランチメニュー一例>
・但馬牛頬肉の赤ワイン煮 ブルゴーニュ風 3,800円(税込)
・但馬牛のサーロインステーキ ソースジャポネ 4,800円(税込)
(※両メニューともに、スープ・サラダ・デザート・パン又はライス・カフェ付き)
・特性但馬牛ステーキ重 1,800円(税込)
(お吸い物・香物・カフェ付き)
・お子様プレート 1,100円
(ミニオムライス、手づくりハンバーグ、ウィンナー、フレッシュサラダ、カップスープ、デザート付き)
もっと但馬牛を堪能したいという方には、但馬牛ローストビーフが+500円で付けられます。
小さな子どもも食事を楽しめるように、「お子様プレート」も用意されています。
<基本情報> ・名称:生野高原カッセル ・住所:兵庫県朝来市生野町栃原1784 ・TEL:079-679-4288 ・公式サイト:https://www.kassel.jp/
竹田城跡
但馬牛を思う存分満喫しておなかを満たした後は、竹田城跡を観光しましょう。
生野高原 カッセルから竹田城跡までは車で約35分です。
雲海が発生していなくても、竹田城跡では幻想的で美しい風景を楽しめます。
<基本情報> ・名称:竹田城跡 ・住所:兵庫県朝来市和田山町竹田古城山169 ・観覧料金:大人(高校生以上):500円、中学生以下:無料 ・公式サイト:https://www.city.asago.hyogo.jp/takeda/
竹田城跡周辺満喫コース
竹田城跡をしっかり観光したい方には、竹田城跡周辺満喫コースがおすすめです。
立雲峡(りつうんきょう)
竹田城跡周辺満喫コースは、竹田城跡の東側にある立雲峡からスタートします。
立雲峡は、雲海に浮かぶ「天空の城」の姿を望める人気の眺望スポットです。
標高約757mの朝来山の中腹につくられた自然公園で、竹田城を真横から見ることができます。
立雲峡の専用駐車場に車を停め、登山道を使って立雲峡まで行けます。
専用駐車場から第2展望台まで約220mで徒歩約15分、最も竹田城跡がきれいに見られる第1展望台までは約810mで徒歩約40分かかります。
また、立雲峡は北近畿随一とも言われる桜の名所で「但馬吉野」とも称され、ソメイヨシノや山桜が咲き乱れ山をピンクに染めます。この春の立雲峡もまた必見です。
<基本情報> ・名称:立雲峡(りつうんきょう) ・住所:兵庫県朝来市和田山町竹田 ・観覧料金:大人(高校生以上):300円、中学生以下:無料 ・公式サイト:https://www.ritsuunkyo.com/
山城の郷
早朝からの観光で疲れたときは、「山城(やまじろ)の郷」の休憩スペースを利用しましょう。
「山城の郷」は竹田城跡近くにある休憩処で、レストランや地元の名産品を取り扱う売店などがあります。
但馬の地酒や日本三大ねぎの岩津ねぎ、但馬牛を使った商品がたくさん用意されており、お土産を購入できます。甘いものが好きなら、オリジナルご当地スイーツの「真菜焼(まなやき)」がおすすめ。
「真菜焼」は、背中にハート模様をあしらった鯉がモチーフになったかわいらしい表情が人気です。
竹田城が栄えた戦国時代当時は、高級品の魚を「真菜」と読んでいたと言われており、その名前がつけられた由来なのだとか。
甘さ控えめの十勝あんと、バニラビーンズが香るカスタードクリームの2種類。甘いものを食べて、観光で疲れた体を癒してはいかがでしょうか。
<基本情報> ・名称:山城の郷 ・住所:兵庫県朝来市和田山町殿13-1 ・営業時間:8:30~17:00 ・公式サイト:https://www.zentanbus.co.jp/yamajiro/
竹田城跡
最後に「竹田城跡」を近くから見てみましょう。
「山城の郷」から「竹田城跡」までは徒歩約40分です。
歩いて行くのが難しいなら、「竹田城跡」と城下町を周遊している「天空バス」を利用すると便利です。
冬期間は運行していない場合があります。観光前にバスの運行状況をチェックしておくことをおすすめします。
竹田城周遊バス「天空バス」運行状況、運行ダイヤはこちらから
車中泊 一泊二日満喫コース
雲海に浮かぶ「竹田城跡」を見たい場合は、9〜11月中の車中泊一泊二日コースをおすすめします。
黒川温泉
1日目の観光は、兵庫の秘湯「黒川温泉」からスタート。
のどかな田園風景の中にある黒川温泉は、内風呂と露天風呂を利用できる日帰り湯です。
黒川温泉は炭酸水素イオンが豊富で、温泉に入るとお肌がしっとりすべすべになることから「美人の湯」ともいわれています。
お土産コーナーには、黒川温泉でしか買えない新鮮な産直野菜やお米なども販売。また、黒川温泉源泉を配合したリップクリームや黒川温泉の人気メニュー「ダムハヤシ」のレトルトなども購入できます。
<基本情報> ・名称:黒川温泉 ・住所:朝来市生野町黒川457ー1 ・定休日:毎週水曜(祝日の場合は営業) ・公式サイト:http://www.ikuno-ginzan.co.jp/
生野高原カッセルRVパーク
黒川温泉の後は「生野高原カッセルRVパーク」で夜を過ごしましょう。
「生野高原カッセルRVパーク」は、大自然を満喫できる車中泊スポットです。
一律1泊平日2,500円(税込)、土日祝日2,970円(税込)で、入浴(大人400円・子ども200円)も可能な施設です。
「生野高原カッセルRVパーク」の最大の魅力は、創業40年以上の老舗レストラン「生野高原カッセル」の料理を堪能できること。
但馬牛のサーロインやフィレステーキなど、地元のこだわり食材を使った料理を楽しめます。
また「生野高原カッセルRVパーク」で宿泊する場合、手軽に食べられるテイクアウトフードも利用できます。
あらかじめ予約しておくと、但馬牛のステーキ丼やハンバーグステーキ、但馬牛カレーなどのメニューを持ち帰って、施設周辺や車内で舌鼓を打つことができます。
<基本情報> ・名称:生野高原カッセルRVパーク ・住所:兵庫県朝来市生野町栃原1784 ・定休日:毎週月曜(祝日の場合は営業、翌日休) ・公式サイト:https://www.kassel.jp/rvpark/
竹田城跡
雲海シーズンに「竹田城跡」へ行くなら、早朝から登山することをおすすめします。
竹田城登城口の開門と同時に登山できるように準備しましょう。
なお、雲海シーズンの間は午前4時頃から開門となります。
「竹田城跡」の登山道は観光客が歩きやすいように整備されており、最短で徒歩30分程度で到着できます。
また、雲海シーズンの登山を安全に楽しむために、懐中電灯や防寒具、雨ガッパなどのアイテムや装備が必要不可欠です。
詳しくは次の見出し「竹田城跡 雲海を見るための注意点」で解説していますので、参考にしてください。
史跡生野銀山
「竹田城跡」を観光した後は、「生野銀山」に行ってみてはいかがでしょうか。
生野銀山は、戦国時代から昭和まで、約400年以上も採掘が行われていた場所。
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康時代の幕府直轄鉱山として栄え、銀や銅などが採掘されていました。
現在は閉山しているものの、観光地として採掘場や坑道が一般公開されています。
坑道内の温度は約13℃と寒く、蒸し暑い季節に訪れると心地よく過ごせます。
また、坑内で気になる存在が鉱夫を模したマネキンの「GINZAN BOYS」。
「生野銀山」を盛り上げるために結成されました。
当時の採掘の様子を再現したちょっとユニークなセリフも合わせて人気を集めています。
<基本情報> ・名称:史跡生野銀山 ・住所:朝来市生野町小野33ー5 ・営業時間:9:10~17:20(季節により変更あり) ・公式サイト:http://www.ikuno-ginzan.co.jp/
竹田城跡 雲海を見るための注意点
次に竹田城跡で雲海を見るための注意点をお伝えします。
雲海の発生には条件がある
朝来市に行ったからといって、必ずしも雲海を見られる訳ではありません。
雲海が発生しやすい条件は以下の通りです。
- 9月下旬~11月の間
- 前日の夜から朝まで晴れており冷え込みも感じる
- 朝は寒く日中に気温が上がる日
- 数日前から前日まで雨が降っている(湿度が高い)
- 当日の朝に風がない
この5つの条件がそろっていると、雲海を見ることが可能とされています。
雲海を見られるかどうかは当日の天気次第。ただ、雲海がなくても、晴れていれば絶景を見られるので安心してください。
時期と時間帯に注意する
雲海を見るためには、雲海が一番発生しやすい時期を狙って観光計画を立てることをおすすめします。
また、雲海が見やすい時間帯は、明け方から午前8時頃。
わずかな短い時間のみ「天空の城」となるので、この時間帯に遅れないように注意しましょう。
雲海を見るためのアクセス方法を確保しておく
雲海シーズンになると多くの観光客が訪れるため、早い時間から最寄りの駐車場が満車になります。
車で行く場合は、複数の駐車場をチェックしておくと良いでしょう。
また前日から宿泊施設に泊まり、タクシーで行くのも一つの方法です。
現地には「竹田城跡」観光に慣れたタクシー会社が多いため、事前に「雲海を見たい」と予約するとちょうど良いタイミングで送迎してくれるでしょう。
雲海シーズン中は、期間限定で朝来市が運営する臨時シャトルバスを利用できる可能性があります。
土日祝日限定とはなりますが、早朝から運行しているので雲海を見るのに最適です。
雲海を見逃さないように、しっかりアクセス方法をチェックしておきましょう。
登山に必要な持ち物を準備する
雲海を眺めるためには早朝に登山する必要があるため、しっかりと準備しておくことが大切です。
「竹田城跡」には電灯がありません。足元の安全を確保するため、必ず懐中電灯を持って登山しましょう。
加えて、防寒着を忘れないように注意してください。
雲は水蒸気の固まりなので、防水性のある上着がないとびしょ濡れになってしまいます。
そのため、防寒着とともに雨ガッパを用意しておくと安心です。
また、第一展望台までは約40分かかるため、登山しやすい靴も準備しておくと快適に山登りを楽しめます。
山頂まではある程度急な坂道が続きます。サンダルやヒールのある靴などは避けてください。
「竹田城跡」観光と一緒に堪能したい「但馬牛」とは?
但馬牛とは兵庫県産の黒毛和牛種のことです。
全国各地にさまざまなブランド和牛が存在しますが、その最高峰といわれるのが但馬牛。
実は日本三大和牛である神戸牛(兵庫県)、松阪牛(三重県)、近江牛(滋賀県)の全てのルーツが、但馬牛だからです。
これらのブランド和牛は但馬で生まれた子牛を競り落とした後に、それぞれの土地で飼育されています。
平成24年に実施された「全国和牛登録協会」の調査により、日本の黒毛和牛の99.9%が兵庫県美方郡香美町小代で生まれた一頭の牛から受け継がれたものだと証明されています。
もともと但馬地方では、牛は食用ではなく農耕用として飼育されていました。
しかし、明治時代から日本でも牛肉を食べる食文化が広まり、和牛を食用として育てる取り組みが始まりました。
但馬地方の恵まれた自然環境で育てられた但馬牛は、赤みと脂の絶妙なバランスが魅力。
但馬牛は厳格に飼育環境が管理されていることもあり、筋線維が細かくてサシが入りやすいのです。
サシとは霜降り部分のことで、但馬牛のサシは良質でとろけるような味わいだといわれています。
但馬牛の柔らかな肉質を楽しむなら、ステーキやすき焼きといった、肉をしっかり味わえる食べ方がおすすめです。
「天空の城」と呼ばれる「竹田城跡」を観光しよう
早朝に見るのが最も美しいといわれている「竹田城跡」。
遠方から観光に行く場合は、前日から宿泊するのがおすすめです。
泊まりで観光するなら、周辺の観光スポットもゆとりをもって楽しめます。
「竹田城跡」観光とともに、「生野銀山」や「黒川温泉」などの観光スポットを訪れてみてはいかがでしょうか。「竹田城跡」周辺は但馬牛が有名です。地元の食材を使ったおいしい料理も合わせて堪能してください。