兵庫県神河町にある砥峰(とのみね)高原は、西日本で有数のススキの群生地。
ハイシーズンの秋に非常に多くの観光客で賑わう観光スポットです。
映画『ノルウェイの森』、『燃えよ剣』他映像作品のロケ地に採用されており、聖地巡礼に訪れる人も少なくありません。
「砥峰高原と言えば秋のススキ。他のシーズンは見応えがないのでは?」もしかしたらそんなふうに思う方もいるかもしれません。
しかし砥峰高原は、1年を通じて四季折々の美しい風景を見せてくれ、独特の地形ゆえにいつ訪れても見応え抜群の場所です。
この記事では、砥峰高原の春夏秋冬それぞれの魅力と、周辺施設を含めたおすすめ観光ルートをご紹介します。
砥峰高原はどんなところ?
砥峰高原は、兵庫県神河町のおよそ中央部に位置する、西日本で有数のススキの大群生地です。
「雪彦峰山県立自然公園」に指定され、約90haと広大な面積を誇ります。
見頃の秋にはススキが太陽に照らされて、山がキラキラ輝く白銀の絨毯一色に染まります。
標高は800〜900メートル。豊かな植生が形成され、高山植物の宝庫でもあります。
最大の特徴は、「周氷河(しゅうひょうが)地形」と呼ばれる独特の地形。
波打つようななだらかな起伏が連続し、見る人にとって心地よい景観のリズムをつくっています。
1年を通して、ハイキング客やバイクでツーリングを楽しむ人達、近年では映えスポットとして写真撮影に興じる人たちも多く見られ、思い思いに時間を過ごしています。
映画やドラマのロケ地に多数採用され、聖地巡礼する人も
砥峰高原は、映画やドラマのロケ地に多く採用されています。
- 映画『ノルウェイの森』(2010年)
- 大河ドラマ『平清盛』(2012年)
- 大河ドラマ『軍師官兵衛』(2013年)
- 映画『信長協奏曲』(2016年)
- 映画『燃えよ剣』(2019年)他
聖地巡礼に訪れる人は、喜怒哀楽すべてを包み込む砥峰高原のおおらかで壮大な風景を目の当たりにし、作品の世界観がよりリアルなものに感じることでしょう。
1年を通して四季折々の風景が美しい砥峰高原
砥峰高原の見どころは、秋のススキだけではありません。
春の山焼きのあとは可憐な野花が咲き、初夏から夏にかけてはまばゆいばかりの新緑が広がり、冬は一面が美しい雪景色に包まれます。ただし、冬季は雪のため通行禁止になるのでご注意ください。
さらには、夜は満天の美しい星空を堪能できます。星座も季節ごとに移り変わり、1年を通して存分に楽しむことができます。
【春】エネルギッシュな山焼き、火入れ
雪が解け始めると厳しい冬も終わり。暖かな陽気に誘われ植物が芽吹く春の到来です。
春の砥峰高原の風物詩と言えば、毎年3月下旬に行われる山焼き「火入れ」。
古いススキを燃やすことで新たな芽吹きを促す行事で、秋のススキの景観を守ることを目的としています。
2017年までは山焼きのイベントが開催されていました。
ただ、残念なことに2018年以降はイベント開催が中止に。
山焼き当日は砥峰高原へのアクセス道となる県道39号線は通行止めとなり、立ち入りが規制されます。
山焼き後の真っ黒な砥峰高原もまた、見応え抜群です。
【夏】さわやかな新緑
初夏から盛夏にかけての砥峰高原は、緑がまぶしいさわやかな景色に生まれ変わります。
生命の息吹をエネルギッシュに感じ取れ、緑に染まった山肌はフレッシュさにあふれています。ハイキングには最適のシーズンです。
どこまでも続く緑の絨毯と、頬をやさしくそよぐ風。避暑地ならではの穏やかな時間を過ごせます。
【秋】白銀に染まるススキの草原
砥峰高原ハイシーズンとなる秋の到来。
澄みきった秋空の下で白銀に輝くススキの絨毯は、どこかノスタルジックな雰囲気を醸しています。
遊歩道が整備されており、小さな子どもも歩きやすくなっています。
散策の所要時間はいちばん長いコースで約90分ですが、起伏がなだらかなので本格的な登山靴でなくてもスニーカーで気軽にハイキングできるのが魅力です。
一面に広がるススキ高原は、まるで外国の風景のよう。非日常の世界観を堪能してください。
散策前は「とのみね自然交流館」に立ち寄ろう
砥峰高原を散策するなら、まず「とのみね自然交流館」に立ち寄るのがおすすめです。
「とのみね自然交流館」は、砥峰高原の保全と管理の拠点であり、野外レクレーションや自然観察のベースキャンプなどを随時実施している施設です。
館内には砥峰高原の1年を記録した写真や映画やドラマの撮影風景写真が展示され、事前学習ができます。また展望ポイントや映画やロケ地の情報が書かれた「散策ルートマップ」や周辺地図が無料配布されており、確認しながら散策ができます。
なかでも、高原を一望できる展望テラスは必見です。自然が織りなす壮大な景観が、都会の喧騒を忘れさせてくれるでしょう。
施設内には「平家そば処 交流庵」があり、打ち立ての蕎麦を堪能できます。散策後は、絶景を見ながら舌鼓を打ってみてはいかがでしょうか。
<施設の基本情報>
・名称:とのみね自然交流館
・住所:兵庫県神崎郡神河町川上801
・電話:0790-31-8100
・開館時間:9:00~17:00
(※「平家そば処 交流庵」営業時間:10:00〜16:00(そばメニューは11:00〜15:00))
・定休日:月曜日、冬季(積雪のため)
砥峰高原は、1年を通じて美しい星空が楽しめる
標高の高い砥峰高原は満天の美しい星空が見られることで有名で、貴重な天体観測所として天体ファンから熱い支持を集めています。
無数の星が瞬く天の川は圧巻の一言、言葉の通り降り注ぐような星空を体験できます。
夜空の特徴としては、南と東方向が明るく、北と西方向が暗め。
少し明るめの夜空を楽しめます。
砥峰高原は高原特有の美しい景観が楽しめる反面、気温がぐんと低くなるため防寒対策が必須です。
広大な自然を星空まで楽しむなら、防寒着を持参するなど万全に対策していきましょう。
砥峰高原の後は「生野高原レストランKASSEL」でディナーを!
砥峰高原の優美で壮大なロケーションを堪能した後は、そのノスタルジックな空気感そのままにゆったりと上質な料理を楽しみませんか?
「生野高原レストランKASSEL(カッセル)」は、「とのみね高原交流館」より車で約30分。
道中ののどかな景色を眺めていれば、あっという間に到着します。
都会の喧騒から離れた落ち着いた雰囲気でありながら、温かさを感じるアットホームなレストランです。
砥峰高原で、ノスタルジックな時間を過ごそう
砥峰高原は秋のススキだけではなく、四季折々に様々に美しい表情を魅せる風光明媚な場所です。
遮るものが何もなく見渡す限りの絶景と、星が降り注ぐような星空に、心奪われますよ。
ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
<施設の基本情報> ・名称:砥峰高原 ・住所:兵庫県神崎郡神河町川上801 ・アクセス:播但連絡道路、神崎南ランプから約40分 ・営業時間:※イベント時以外は、夜間照明なし ・定休日:※冬期は積雪のため通行止め ・公式サイト:https://www.kamikawa-navi.jp/guide/spot/795