各地の「オーベルジュ」に出かけて、美味しい料理と宿泊を楽しむという人が増えています。
しかしながらオーベルジュという言葉にまだ馴染みがない人も多いことでしょう。
今回はオーベルジュについて、その歴史やマナー、ホテルとの違いについて詳しく解説していきます。
また関西・兵庫のおすすめのオーベルジュについても紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
オーベルジュとは
オーベルジュの発祥はフランス
「オーベルジュ」とは、郊外や地方にあるレストランと宿泊場所を兼ね備えた施設のことです。
オーベルジュの語源はフランス語(Auberge)で、田舎風の旅館・ホステルを意味します。
オーベルジュの発祥は中世のフランスにまで遡り、現在のスタイルが定着したのは個人が自動車を使って自由に旅行が可能になった1930年代と言われています。
地元の食材を新鮮なうちに調理して、その土地の郷土料理を提供するために、多くのシェフが郊外でレストランをオープンしました。
都会の喧騒から離れて、郊外の空気と美味しい料理を求めて多くの客が自動車で訪れました。
フランス料理と言えばワインがつきものです。
しかしながらワインを飲めば自動車で帰ることはできません。
そこでレストランの一角や、シェフの居住区を宿泊場所として客に提供したことが、現在のオーベルジュのスタイルとして根付きました。
日本でも1970年代頃から、フランスのオーベルジュに感化されたシェフが次々と郊外にオーベルジュをオープンしました。
オーベルジュの業界団体である「日本オーベルジュ協会」も設立されました。
日本のオーベルジュの特徴として、フランス料理だけでなくイタリア料理や日本料理など世界各国の料理を楽しめることです。
厳選された地元の食材を使用しているため、味も保証されています。
レストランだけの利用も可能
オーベルジュはレストランと宿泊場所を兼ね備えていますが、宿泊せずにレストランだけを利用することも可能です。
ランチ利用のみ、ディナー利用のみを認めているオーベルジュがほとんどです。
ただしオーベルジュの多くは人里離れた郊外にあります。
ディナーで利用する場合は食事の終了が遅くなることが大半。
さらにお酒を飲む場合には自動車で帰宅することができません。
したがってあらかじめ帰宅方法をきちんと確保するか、無理せず宿泊の利用を予定しておくと良いでしょう。
オーベルジュとホテルの違い
オーベルジュとホテルの違いについて気になる人も多いでしょう。
オーベルジュのメインはあくまでレストラン。
レストランに宿泊施設が付属された形式です。
レストランはオーナーシェフが取り仕切り、すべての料理に目を通します。
そのためレストランの席数はそれほど多くありませんが、出される料理にはオーナーシェフの個性が全て表現されていると言っていいでしょう。
またオーベルジュの客室に関しては、レストランを利用する人の部屋数しか用意されていません。したがって部屋数は10室、もしくは10室以下が一般的です。
一方でホテルのメインは宿泊施設です。
「旅館業法」のおいてホテルの形式は厳格に定められ、客室・ベッドは洋式にすることや、客室に洋式トイレの設置が義務付けられ、客室の広さも決められています。
そして客室の数もオーベルジュよりもはるかに多く用意されています。
アメニティの充実やルームサービスなど、いかに快適に宿泊してもらうかに力を注いでいるのがホテルです。
そしてホテル内には複数のレストランがあることが一般的です。
席数も多く用意され、誰でも気軽に料理を楽しめる環境になっています。
近年ではオーベルジュとホテルとの境界が曖昧な施設も多く存在し、それほど違いに敏感にならなくても構いません。
オーベルジュでありながら客室が豪華で、様々な施設が用意されていて、ホテル並みのサービスを受けられる所もあります。
またホテルのレストランにおいても、有名シェフを招聘し、限られた人数で料理を楽しむ環境を提供している所もあります。
オーベルジュでのマナーや注意点
ドレスコードがある場合も
オーベルジュでは、雰囲気良く非日常的な時間を味わってもらうために、ドレスコードを設けている所があります。
ただしあまり厳格なドレスコードではなく、「スマートカジュアル」と呼ばれるドレスコードを設定している場合がほとんどです。
男性であれば短パン・サンダル履き・Tシャツなどの軽装は遠慮しましょう。ジャケットを着用するのが相応しい格好です。
女性は肌の露出が多いミニスカート・ショートパンツ・ノースリーブは避けましょう。香りが強い香水もNGです。
ワンピースに羽織物などが定番の格好となっています。
せっかくの外食なのですから、おしゃれな格好をして出かけることを推奨します。
またオーベルジュによっては子供の来場を遠慮している場合もあります。
ドレスコードも含めて、事前にオーベルジュに確認してください。
レストランのみの利用の場合も予約が必須
オーベルジュのレストランはそれほど席数がありません。
有名なオーベルジュであればすぐに満席になります。したがって宿泊せずにレストランのみを利用する場合でも必ず予約しましょう。
またあらかじめ食事時間の開始が決まっている場合もあります。
時間厳守で遅れないようにしてください。
ホテルのようなサービスはない場合も
オーベルジュの宿泊施設は、ホテルのようなサービスを受けられない場合もあります。
ホテルのようにコンシェルジュが置かれていることは稀です。
また客室にテレビやアメニティがないこともあります。
だからといって、オーベルジュでの宿泊をためらうことはありません。
客室がホテルよりも少ないのでゆったりと過ごすことが可能です。
ロビーやラウンジなど、客がくつろげるスペースを用意している所もあります。
オーベルジュ側の様々な工夫により、ホテルと同等の快適さを実現しています。
関西・兵庫のおすすめのオーベルジュ
関西・兵庫のおすすめのオーベルジュをご紹介します。
オーベルジュ豊岡1925
オーベルジュ豊岡1925は、1925年の北但大震災後に復興のシンボルとして建築された「兵庫県農工銀行豊岡支店」をリノベーションしてできたオーベルジュです。
レトロモダンな建物内部は当時のままで、金庫はお菓子の倉庫に、応接室は個室になっています。かつては銀行のメインホールであったレストランでは、日本海で採れた海の幸や地元但馬牛を使用した料理を堪能できます。
またラウンジはフリードリンクとなっており、様々な種類の飲み物を味わうことが可能です。
朝食は地元の野菜をふんだんに使ったサラダをはじめ、ボリュームある朝食が用意されています。客室が6室となっているため、誰に気兼ねすることなくのんびりと過ごせます。
場所|〒668-0033 兵庫県豊岡市中央町11−22
価格帯|22,000円~(1泊夕食・朝食付き・1名)
客室数|6室
チェックイン|15時~
チェックアウト|~12時
フレンチの森
フレンチの森は和フレンチ「La Rose」、燻製フレンチ「Grand Baobab」、ヌーベル・キュイジーヌ「Prince Etoile」の3棟で構成されている淡路島のオーベルジュです。
「La Rose」では、淡路島の厳選された食材を使った料理と厳選されたワインが楽しめます。
「Grand Baobab」では、淡路島内の木材や葉を使った燻製料理が堪能できます。
「Prince Etoile」では、バターの使用をなるべく控え、淡路島の食材を最大限に活かした現代フレンチを味わうことが可能です。
宿泊施設はフランスの邸宅を再現しており、窓からは淡路島の大自然を眺めることができます。
アメニティも一通り付いており、贅沢で快適なひとときを過ごせます。
場所|〒656-2301兵庫県淡路市楠本2593-8
価格帯|ランチ:5,000円~、ディナー:8,000円~、1泊(夕食・朝食付き・1名):25,000円~
客室数|9室
チェックイン|16時~
チェックアウト|~10時30分
ホテルアナガ
ホテルアナガは淡路島にあり、全室南向きのオーシャンビューが特徴のオーベルジュです。レストランは淡路島の食材を使ったフランス料理「カドー・ドゥ・ラ・メール」と、瀬戸内海の魚介で握った鮨と淡路牛が堪能できる「日本料理鮨阿那賀」があります。
さらにホテルアナガではレストラン以外の施設が充実しています。
ガーデンプールでは、シャンパンを飲みながら優雅にくつろぐことも可能です。
テニスコートやゴルフでスポーツを楽しむことも、ペットを連れてドギー・ガーデンで遊ぶこともできます。
さらにスパやトリートメントで体のケアもできます。
場所|〒656-0661 兵庫県南あわじ市阿那賀1109
価格帯|29,000円~(1泊夕食・朝食付き・1名)
客室数|40室
チェックイン|15時~
チェックアウト|~11時
Auberge ALBIREO
Auberge ALBIREOは、神鍋高原内に位置するオーベルジュです。
地元の但馬牛や日本海で採れた魚介類を使用した料理が楽しめる他、野外で炭火焼きのバーベキューをすることもできます。
Auberge ALBIREOの特徴は、1年を通して様々な野外アクティビティが楽しめることです。春には奥神鍋でアスレチックやツリークライミングが体験できます。
夏には5階にある天文台を使って天体観測ができます。
神鍋高原の満天の星を眺めることが可能です。またテニスコートも7面用意されています。冬にはスキーやスノーボードなどのウィンタースポーツが楽しめます。
食事だけでなく、大自然の中で体を動かしたい人にとってAuberge ALBIREOは最適のオーベルジュです。
場所|〒669-5377兵庫県豊岡市日高町山田147-1
価格帯|ランチ:2,000円~、ディナー:5,000円~、1泊(夕食・朝食付き・1名):11,000円~
客室数|15室
チェックイン|15時~
チェックアウト|~10時
関西・兵庫のオーベルジュを楽しみましょう
オーベルジュはレストランがメインの宿泊施設です。
しかしながら近年ではレストラン以外の施設が充実しているオーベルジュが多くあります。多少のドレスコードやマナーがありますが、決して難しいものではありません。
また関西・兵庫には様々なオーベルジュが存在します。
ぜひ色々なオーベルジュを訪れて、素敵な時間を過ごしてください。
兵庫県朝来市の「カッセル」宿泊施設が来春リニューアルオープン
兵庫県朝来市にある生野高原レストランKASSEL(カッセル)。
元々は、海外や日本の特別な方をお招きし、おもてなしをする迎賓館でした。
その当時のままのホスピタリティやお料理により一層磨きをかけ、より多くの方にも味わっていただきたいと一般公開された”知る人ぞ知る”隠れ家です。
ドレスコードもなく、地元の方々にも愛されるお店なので、初めてのオーベルジュ体験にいかがでしょうか。
BBQ場/RVパーク/テニスコート/ビリヤード/キッズスペース/天体望遠鏡 など、たくさんの施設でお楽しみいただけるカッセルの宿泊施設が来春リニューアルオープン。
よりゆったりとお寛ぎいただける空間で、非日常を体験いただけます。
ぜひ、皆様のご来店をお待ちしております。