兵庫県朝来市に、環境デザイン部門でグッドデザイン賞に輝いた名誉を持つ施設があります。
それは「あさご芸術の森美術館」。
雄大なロックフィルダムを臨む美術館で、敷地内には立体アート群が豊かな自然に溶け込み、訪れる人を瞬時に非日常世界に誘います。
歴史ロマン薫る朝来市のイメージとは少し真逆と思われる近代アートを存分に味わえる「あさご芸術の森美術館」。観光に訪れたらぜひチェックしてもらいたい3つの見どころを含めて、ご紹介していきます。
「あさご芸術の森美術館」はこんなところ
「あさご芸術の森美術館」は1999年に開館。
朝来市の中央に位置する「あさご芸術の森」の中核となる美術館で、野外の彫刻公園と構成されている公共施設です。
広さは6,000平方メートル。
観光客が散策を楽しむのはもちろんのこと、周辺住民が散歩やジョギングなどの憩いの場所として活用するなど、地域にも根ざしています。
美術館では、たびたび訪れたくなるように魅力的な企画展を誘致したりワークショップなども随時開催。
また2003年には「朝来町あさご芸術の森美術館・公園・宿泊施設」として、建築・環境デザイン部門でグッドデザイン賞を受賞。
自然景観を活かしたアートをはじめとする施設整備計画が高い評価を受けました。
中でも特筆すべきは、関西電力多々良木ダムの直下にある、全国でもめずらしい景観。
唯一無二の圧巻のロケーションに、思わず息をのみます。
アートや建築だけでなく、ダム愛好家に至るまで、幅広い属性のファンに愛されている施設なのです。
近代現代彫刻家のパイオニア「淀井敏夫記念館」が併設
「あさご芸術の森美術館」には、「淀井敏夫記念館」が併設されています。
淀井敏夫は朝来市出身の近代彫刻家の先鋭として活躍、2005年に逝去するまで、独特の作風で現代美術を牽引した人物です。
主な創作対象は、人物や動物。細くしなやかに伸びた繊細なフォルムが特徴で、針金と縄でつくった骨組みに直接石膏を塗って創作されています。
作品には削った跡や岩のようなゴツゴツとした質感が残っており、脈打つ躍動感や凛とした強さを感じ取ることができます。
これら生涯に渡って制作した作品200あまりを、本館建設にあたり寄贈。
館内に常設展示され、野外の彫刻公園にも設置されています。
淀井の芸術活動における功績が讃えられ、2001年内閣府から文化勲章を受章。
没後もなお多くの彫刻家にインスパイアを与え続けている作品に直接触れられることこそ、本館の大きな魅力のひとつと言えます。
見て、歩いて、深呼吸!「あさご芸術の森美術館」の見どころ3選
「あさご芸術の森美術館」の3つの見どころをまとめています。観光の際にぜひお役立てください。
見どころ1:四季折々の風景とダムとのコラボレーション
「あさご芸術の森美術館」は、朝来市の魅力である豊かな自然の中にたたずんでいます。
春はヤマザクラ、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色。四季折々に異なる風光明媚で見事な景観を見せてくれます。
また、施設のすぐ隣には関西電力多々良木ダムが位置しています。
ロックフィルダムという型式の建造物で、無数の岩石や砂利が積み上げられており、まるで壁画アートさながらの存在感を放っています。
この豊かな自然と土木建築との融合が圧巻。唯一無二のロケーションは訪れる人を、あっと驚かせます。
絶景を味わう上でおすすめなのが、多々良木ダムの最上部まで足を延ばすこと。
息を飲むほどの美しい風景を臨むことができます。目を閉じて深呼吸したくなる空間です。
なお、ダムの最上部までは徒歩はもちろんのこと、体力に自信のない場合は車で移動することも可能ですよ。
見どころ2:約40点の立体アートをめぐって、広大な敷地内を散策
広大な公園内には、公募展で受賞した現代芸術家による個性豊かな立体アート作品が点在しており、その数約40点。豊かな自然に溶け込むアート作品を散策しながら満喫できる人気スポットとなっています。
しかし「広すぎてどういうルートで散策すればいいのかわからない!」という方も。
まずは、美術館で無料配布されている公式マップ「あさご芸術の森散策マップ」をゲットしましょう。
マップには、30分、60分、80分、100分と、アート作品をめぐる4つのコースが紹介されています。
体力や所要時間に合わせて選ぶのも良し、直感に頼るのも良し。
ルールはありません。アートとの偶然の出会いを楽しむべく、自由に散策してみましょう。
見どころ3:多彩な企画展が随時開催
「あさご芸術の森美術館」では多彩な企画展が随時開催されており、訪れるたびにプロ・アマチュアの垣根を超えた多様な芸術に触れられます。
2022年には、スタジオジブリ作品の美術を手掛けた山本二三(にぞう)さんの作品を集めた「新・山本二三展」が開催。会期中1万人以上の来館者が訪れ、大盛況のうちに閉会しました。
今後も国内外におけるさまざまなアートシーンを発信する場になることでしょう。
企画展の最新情報については、公式サイトをチェックしてくださいね。
あさご芸術の森美術館を堪能した後は、生野高原オーベルジュKASSELで食事を!
美術館を鑑賞し、多々良木ダムと野外公園を散策したら、1日が過ぎるのはあっという間。
自然とアートを心ゆくまで堪能した後は、車を約25分ほど走らせた先にある「生野高原オーベルジュKASSEL(カッセル)」でのランチやディナーがおすすめです。
オーベルジュカッセルの魅力は腕利きシェフによる但馬地方の上質な素材の良さを引き立てたお料理と心が穏やかになるホスピタリティ。
どこか懐かしさを感じるヨーロピアンな空間で、アートのように目でも楽しめるお食事を体験してください。
また2023年には宿泊施設がリニューアルオープン。
宿泊についてのお問い合わせはHPからお願いいたします。
朝来市観光なら、四季折々の自然とアートを楽しめるあさご芸術の森美術館がおすすめ
朝来の豊かな自然とロックフィルダムの融合で圧巻の景観を作り出している、あさご芸術の森美術館。
アート作品を楽しむのはもちろん、四季が織り成す美術館周辺の美しい風景もまた、芸術そのものとして堪能できます。
唯一無二の芸術空間を時間を忘れて過ごせる場所。朝来の四季とコラボした芸術作品に会いに、ぜひお出かけください。
<施設の基本情報> ・施設名:あさご芸術の森美術館 ・住所:兵庫県朝来市多々良木739ー3 ・電話番号:079-670-4111 ・入館料:一般/500円、大・高校生/300円、中・小学生/200円 ・開館時間:10:00~17:00(最終入館時間は16:30) ・休館日:水曜、祝日の翌日(水曜日が祝日の場合はその翌日) ・公式サイト:https://asagoart.com/